JPBM全国大会

 専門家の持続可能な顧客支援に向けて
第38回JPBM統一研修会を開催

去る11月17日、JPBM統一研修が開催されました。目覚ましい情報テクノロジーの発展を語るまでもなく多様化、高度化が進む中小企業や医療機関の経営ニーズに対して、実務支援の現場は従来業務の延長線上を超える対応が求められます。今回の研修では、会員士業内外のネットワークと機能を活かした実務支援の取り組みが紹介されました

 

【 主催者挨拶】
『中小企業の持続的発展に向け士業は支援の担い手になれるか』

JPBM代表理事 高田坦史

最初に、JPBM高田坦史代表理事より、①激変する経営環境をチャンスととらえ、顧問先等の多様なニーズにこたえていく必要がある②今後は専門分野以外の対応が求められ、9士業やデジタル支援等それ以外の分野への対応が必須③JPBMのメンバーは多様な専門家の集まりであり、お互いの研鑽をプラットフォームで展開することは、会員の更なる協力のもと難しいことではない④今後、リアルな会合の場も増やし会員同士の交流をより深めていきたい、といった冒頭の挨拶がありました。

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【テーマ別取組 (1) 経営支援全般: 基調講演】
『経営支援をメインとする魅力ある会計事務所作りとは』
アタックス税理士法人 代表社員 公認会計士・税理士 西浦道明

第1部はミニ基調講演として、アタックスグループ代表の西浦道明公認会計士より、アタックスグループの社内DX立ち上げまでの歴史と現在の状況、税理士を取り巻く環境および適応状況、「課題解決型事務所への転換」として「税務事務所」から「会計事務所」への脱皮、そのための機能として「自社株承継」「後継者育成」「社外CFO」をご提示いただき、今後のJPBMとの実務連携として、アタックス様のDXの取組みや「強くて愛される会社」等への視察ツアー企画をご紹介いただきました。

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【テーマ別取組 (2) デジタル化支援・成果発表】
『中小企業の経営データを活用する現場力支援』
・西野光則会計事務所 税理士 西野光則
・(株) RABBIT 代表取締役社長 豊久凌仙

第2部は、30回を超える実績を持つ経営データ活用検討会の報告として、リーダーの西野光則税理士から、いま求められている課題解決型支援の事例として、システム(EXCEL)を活用した経営計画策定やモニタリング支援の事例を解説。また、10月に行われました認定支援機向けオープンセミナーでお披露目された上記システムを活かした実践事例を、沖縄でご活躍の宮沢財務管理オフィス宮沢代表およびその顧問先である(株)エフ琉球の長濱取締役に現場の活用事例とその絶大な効果を解説いただきました。併せてChatGPTを活用して顧客のニーズに合わせたシステム検索および活用時のQAに対応するソフト開発の進捗を、(株)ラビットの豊久凌仙社長に報告いただきました。

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【テーマ別取組 (3) 医業経営支援・成果発表】
『認定医療法人等の持分なし非課税移行の支援実務』
〜医業経営部による書籍発行及び経営相談室設置の紹介~

第3部として、医業経営部より、11月に参画メンバー有志によって執筆出版された「認定医療法人等による持分なし非課税移行の実務」を基に、編著者の松田絋一郎リーダー、原子修司特定社会保険労務士からポイントを解説いただきました。特に松田氏より書籍の全体構成解説を含め、一般社団法人や合同会社を使ったスキーム等の危険性や、来年4月1日から始まる医療制度の大改革(3報酬の改定、地域医療計画の見直し、第8次医療法改正、働き方改革のスタート、メディカルDX、サイバーセキュリティ対応等)にどう対応していくか等、踏み込んだ指摘もされました。今後相談室を設け、実務支援を具体的にすすめながら、医業経営部における勉強や情報共有をより活発化していく予定です。

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最後に富樫徹専務理事より、会員同士の情報交換や相互支援を活発化していくために、できるだけ交流の場を設定すること、またノウハウやヒント、気づきになる支援情報等の還元をプラットフォームに蓄積していくために、より一層の会員内外の協力が呼びかけられました。